本当に経蔵にSomasutraはあったのか? / Kuti Rishi Ban Khok Muang
: 訪問日 05Aug2006、07Dec2009

この遺跡は、ふうみんさんのHP「クメールの誘惑」の中で、
「経蔵?…一般的に「経蔵」といわれているが、聖水を流すソーマスートラを設けた事例
(Ban Khok Mueang)もあるために、現時点で「経蔵」と断定はできない。」
と、ある論文の一文の紹介がありました。

これを読んで、私は、経蔵の基壇部分から
垂直に北方向に伸びている石(右写真の丸印)の事を
思い出しました。
この石には中央に溝があります。

今思えば、何でこんな溝がある石が、
最初からあったかのごとく置いてあるのか
不思議に思ったような気がします。

「聖水を流すソーマスートラを設けた事例
(Ban Khok Mueang)もある」
とは、これの事か?

もしも、この石を指してSomasutraと
言われているのであれば、専門家の方が書かれた
論文中の一文とは言え、自分の目でいつか確かめて
みたいと考えていました。

今回、タイへの出張の機会に恵まれ、休日に再訪する事ができたので、
自分なりに確認した結果を紹介します。



この遺跡は、2度目の訪問です。

目的は、本当に経蔵へSomasutraがあるのかどうか
自分の目で確かめる事です。

右の写真は、遺跡を東正面から見たところ。








東塔門に向って左側のナーガです。
遺跡は赤茶色のラテライトでできており、
砂岩でできたナーガのレリーフが
異様に目立っています。










東塔門に向って右側のナーガ。













今回の訪問時は、前回に比較して
草が伸びており、地面の石が確認し
にくいけれど、
前回同様に、中央に溝がある石(白丸で
囲んだ部位)が、経蔵から北向きに
横たわっていました。











中央に溝がある石の拡大写真です。
















中央に溝がある石と、経蔵の基壇との
繋ぎ部。

もしも、これがSomasutraであれば、
経蔵内部から聖水(Soma酒)が
流れ出るように穴が繋がっている
はずであるが、どうも奥には穴が無い
ように見えます。










経蔵の内部です。
経蔵と言いながら、ヨニが置かれています。

溝がある石は、経蔵の入口のあたりにあります。
その辺りに、Soma酒を流す穴があるか確認を
してみます。








穴があるとすると、
○印のあたりのはずだが、
穴らしきものはありません。















入口の柱の手前も確認してみます。
穴があるとしたら、○印のあたりのはずと思うけど、
穴らしきものはありません。



















経蔵から出て、足元を見ていたら、
ここにも溝がある石を見つけました。(○印)

この溝がある石は何だろうか??


















地面を良く見ると、
赤い線に沿った形で
ラテライト石が敷かれています。

その上に溝のある石(白線)が載って
いるように見えます。

もしかすると、赤い線に沿った形で
木造建築物等、別の建物が隣接していた
可能性は無いだろうか?

そして、ラテライト石の溝は、
その建物を構築する為のホゾ溝の
ような役割をしていた可能性は無い
だろうか?


Somasutraは、一般的に北に向けて聖水(Soma酒)を流すと言う点においては、
この溝のある石は北向きに設置されており、合致しています。

しかし、一方、
①Soma酒が流れ出る経路が不明であり、
かつ、
②通常、Somasutraは、砂岩でできており、ラテライト石のSomasutraは、T.I.は見た事が無い。
(ラテライトだと、うまく水が流れ無いのでは?←推定)と言う事で、
個人的には、Somasutraでは無いと考えています。

私の遺跡訪問は、限られた時間で、たくさん見て回る事に重点を置き過ぎて、
じっくり時間を掛けて観察する事ができず、見落としが多いと言う欠点があります。

今回も15分程度の時間で見ただけで、十分な観察ができたとは思っていません。
本当は水を持って行って、水を流して見たりしたらどうなっていただろう?とも思っています。

みなさんの中で、何か気がつかれた事、または、違う意見等ありましたら、
掲示板、または、メールで教えてください。


参考:
Somasutraのある遺跡は以下です。

Prasat Phimai
Ku Pram Cham Sin
Muang Sema
Prasat Phnom Rung
Prasat Ta Muan Thom
Prasat Phum Phon
Phra That Nari Chengweng
Phra That Phu Phek




ジャヤバルマン7世の施療院、そして経蔵にSomasutra? / Kuti Rishi Ban Khok Muang
: 訪問日 05Aug2006







この遺跡は、Buriram県の
A.Prakhon ChaiのBan Kok Muangにあります。

Prasat Muang Tamのバライのすぐ近くにある。

東、少し南よりから遺跡を見たところ。
ジャヤバルマン7世の施療院ですが、
立派な楼門を持っています。






北東角にある聖池越しに遺跡を見たところ。













東正面から遺跡を見たところ。













楼門右側の窓の上のレリーフ













楼門内から祠堂を見たところ。
楼門内にヨニがあります。
















祠堂を正面から見たところ。

















祠堂内のヨニです。














聖水を流す先の壁は、こうなっています。

床面と壁の際が穴が開いているように
凹んでいるようにも見えます。

北側の外の壁の写真の記録はありません。
たぶん穴はなかったように思います。











西側、少し南よりから祠堂を見たところ。

祠堂の向こうに見える入口は、正面楼門です。















これは、いわゆる経蔵です。

ふうみんさんのHP「クメールの誘惑」の中に
「経蔵?…一般的に「経蔵」といわれているが、
聖水を流すソーマスートラを設けた事例(Ban Khok Mueang)
もあるために、現時点で「経蔵」と断定はできない。」
と紹介がありました。

そして、そのHPの中で、
「経蔵と呼ばれる建物」は
「経蔵」ではなく「信仰対象物を奉ずる建物」の可能性が
高い。」
と意見を述べられています。

私もそう思います。
いわゆる経蔵と言う呼び方をしているが、こんな建物の中に、
経典を保管していたのか?、素人の私でも疑問に
感じていました。


これは経蔵内部の写真。

ヨニがあります。











経蔵の外、基壇部分から垂直に北方向に伸びている
石があります。(右写真の丸印)

そして、この石には溝があります。
今思えば、何でこんな溝がある石が、
最初からあったかのごとく置いてあるのか
不思議に思ったような気がします。

「聖水を流すソーマスートラを設けた事例(Ban Khok Mueang)もある」とは、これの事か?

この石を見た時、なぜSomasutraと思わなかったのか
残念です。
壁から聖水が流れ出る穴が見当たらなかったからか?
経蔵にSomasutraは、無いと言う思い込みがあったからか?
再訪して、自分の目で確認して見たい遺跡です。


また、誰か訪問する機会がある方は、
自分の目で確認された結果を教えてくだされば、
嬉しく思います。



右は、どこにあったレリーフか思い出せません。













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